金利と国債の危機について

東商工リサーチの最近の記事によると、低金利は地銀・信金の体力を奪っているらしい。
運用利回り(貸出金利)から調達コストを引いた総資金利ざやがゼロに近づき、場合によってはマイナスになる信金があるという。
借り手が少ないため、金融機関同士の競争で貸出金利が下がっているという。
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(出展:東商工リサーチ3月9日記事)

そんな中でメガバンクは海外の金融機関をM&Aで手にしながら、海外事業で利益を上げる方策をとっているが、小さな地銀、信金にはそれができない。
もちろん地方には資金需要も少ない。
財務省が地銀の合併を進めるわけの一つはそこにもある。
地銀の体力が落ちていくのを放っておくと、国債を発行した時の引き受け手が不足してしまう。
2月3日の債券市場では10年物国債の入札が不調に終わり、金利が一時的に暴騰した。
市場はこの異常金利と膨大な国債残高に不安を感じている。
国債の金利が仮に1%上がると地銀の保有する国債に3兆円の含み損が発生するともいわれ、国債が暴落すると100以上ある地銀や信用金庫の多くが倒産の危機に直面するらしい。
メガバンクは既によ封する国債の3割を放出していてリスクを軽減しているが、地銀はそれができていない。
87年5月から徐々に国債価格が低下した時、売り上げ60億円の小さなタテモという会社が9月に入って国債の財テクで300億円の損失を出したと発表した時、市場はパニックになって投げ売りが始まり、国債価格は暴落し、5月に2%だった金利は10月には6%に上昇した。
こういうことは今後も起こりうる

地銀の体力を上げるためには、地方の経済を直ぐに急浮上させる方策もないのだから、地銀同士を大きく合併させて、海外事業など別な収益源を持たせるしかないだろう。
地銀、信用金庫は地元経済への支援がミッションだが、収益体力がなければそれもできない。
合併して大きくした地銀が各地域の信金を吸収できるかどうかは難しいところだ。
大都会の信金は地方の小さい都銀より収益が高いかもしれないが、地方の信金は潰して吸収するしかないかもしれない。
財務省じゃないが、超低金利をまだこの先続けるならこのリストラは急ぐ必要がある。
信金を潰しても融資先の保護は必要だ。しかし、大きくなった地銀といえども経営の行き詰った商店への貸し付けは続けられないので、貸出先をどうするかは難しい話だ。

メガバンクにしろ地銀にしろいくら日銀から安く資金を調達できても国内に借り手がいなければ利益は上げられない。
地方には海外事業を企画・運営する人材もいないので、メガバンクと提携させるなどして人材も導入しながら育成していく必要もある。海外の市場・企業を読む人間、M&Aの選定先と交渉はコンサルタントでも使う、現地法人とやり取りし経営・事業方針を調整・承認する人材も必要になる。


そもそも今のリフレ政策は少しもデフレ解消に向かっていない
資金をジャブジャブにして金利を安くしたところで、景況が上向かなければ企業は設備投資しない。これは大都市でも地方でも同じだ。東京など大都市が有利なのは建物需要があるだけだ。 実はマンションなど住宅でも供給過剰で家賃は下がってきている。

資金があふれても株価が上がるだけで、企業業績向上は一過性であり、働くものの賃金上昇に結びつかない。
資産家と一部の金利生活者が喜ぶだけだ。うわべのGDPは少し上がるかもしれない。
給与所得者の賃金が平均的に上がるのでなければ大量の資金は誰も豊かにしない。
低金利で円安になって原油をはじめとする輸入原材料コストが上がる一方、輸出は少しも伸びなかった。
パナソニックなどの製造業が海外の製造ラインを国内に引き上げる動きを見せているが、円安が続けば組み立て系の製造業はよくても素材系の製造業は海外に出て行かざるを得なくなる。しかし電力やエネルギーコストが高くつくことは組み立て系製造業にも不利な話だ。
このまま超低金利を続けるのはメリットよりデメリットの方が大きいのではないか?

超低金利政策はデフレに関して実を結ぶ見込みはない。
デフレの本質は需要と供給のバランスである。
むしろ政策を需要と供給のバランス返還に向けるべきではないか?
この構想をこれから煮詰めていくが、その目途が立ったらこのリフレ派のお遊びは今年中に店じまいを始めないといけない。
強気の黒田さんにもお引き取りを願おう。
増税で今の社会保障の水準を保つためには、消費税を60%まで上げて行く必要があるという試算もある。
財務省も増税論は引っ込めて社会保障体制の抜本的改革という本筋に戻ってもらわないと困る


2月の国際入札不調に関しては「異常な低金利は『国債暴落」の前兆である』という週刊現代の記事(3月14日号)も参考にした。
http://news.livedoor.com/article/detail/9874034/

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