次世代に回されたツケはいったいいくらなのか?

国債発行残高が約800兆円(27年度末時点見込みは807兆円)。
これが返済されず次世代に引き継がれていくことだけは避けなければいけない。
この借金の建設国債を除く大半は我々の利便(年間の行政費用)のための借金であって、後の世代には関わりのないものだからだ。

実質国民総生産GDPは2014年で514兆円であったので、GDPの約1.6倍の借金となる。
先進国でこれだけ借金比率の高い国はない。
なおかつ、GDPでみる経済成長率はこのところほとんどゼロ。
しかし、毎年毎年新たな国債(借金)が発行されている。
これは許されない事態だろう。
経済の成長より借金の成長が早いのでは潰れるのは時間の問題になる。


ただし、色んな注釈がつく。

そもそも経済成長は「国内」の総生産GDPで測るべきでなく、交易条件(為替がエネルギー・食料価格に与える影響)による変化も反映し、海外の資産からの所得も入れるべきではないか、との考えから実質国民総所得GNIの方が正しく経済情勢を反映するという主張だ。 これは正しいだろう。
例えば以下の記事
日本の2015年国民総所得(GNI:Gross National Income)は3%の高成長になる
BLOGOS2015年03月29日 竹中正治
http://blogos.com/article/108985/

また、国債がいくら膨らんでもギリシャのようには破綻しない、という主張も根強い。
日本の国債の買い手は95%以上日本国民だからだ。
ギリシャのように海外投資家が国債を持っているなら気に入らなければ売り始めるが、国民が所有者ならはそういう動きをしないといえる。
そもそも国内の資産は国民の資産、企業の海外の利権、資産(内部留保)を合わせれば1,000兆円以上あるのだから、潰れる心配がない、と主張する人もいる。
しかし、今まで国債の引き受け手は高齢者だったが、10年後の高齢者も今と同様資産があり裕福である可能性は低い。年金はどんどん目減りしていき蓄えの少ない者が年々増えていくと予想される。
今までは発行されたら必ず国内で全部買ってもらえたが、これから5年10年経っていくとそれもおぼつかない。
その時日本の国債が海外投資家に買われるようになるから、このままいくのは危険だと、私は考える。
特に機関投資家は投機的に政府に圧力をけてるような動きもする。


何しろ800兆円という金額は大きすぎる。
平成27年の税収は54.5兆円でしかない(予算ベース)。
毎年40兆円前後の国債を発行し、国債の償還に13兆円、利子の支払いに10兆円をかけている。
財務省資料
http://www.mof.go.jp/budget/budger_workflow/budget/fy2015/seifuan27/01.pdf
日本の生産人口はここ10年減り続けているのであり、GDPにしろGNIにしろよほどの革新がない限り減り続けていく。
革新とは例えば100人の従業員で製品を10億円作っていた工場が、従業員が80人、60人と減っていっても人工知能とロボットでカバーし、10億円分の製品を作り続けたり、20億、30億円分の製品を生産・出荷できるようになったりといった革新だ。
そういうチャレンジは当然現場でなされていくだろうが、10人ぐらいの小会社ではまず設備投資はできないだろうし、人間の頭数がなければどうにもならない医療や農業といった分野もある。
その程度の技術革新だけに「借金返済計画」の全てを頼ることはできない。


しかし、800兆円全てが次世代に引き継がれる借金ではない、という記事を見つけて愕然とした。
世界のニュース トトメス5世
2015年11月28日13:22
日銀国債買い入れで「日本破産」と喚いた連中 日銀国債は返済しなくて良い
http://thutmose.blog.jp/archives/48914879.html

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*16年2月22日注釈追加
もとになっているのは高橋洋一の考えだったようだ。
日付は前後するが次の記事が詳しい。
現代ビジネス「ニュースの深層」
2015年12月28日(月) 高橋 洋一
「日本の借金1000兆円」はやっぱりウソでした
~それどころか…なんと2016年、財政再建は実質完了してしまう!

この国のバランスシートを徹底分析

高橋洋一氏は1955年、東京生まれ。80年、大蔵省(現財務省)入省、理財局資金企画室長、内閣参事官など歴任。小泉内閣、安倍内閣では「改革の司令塔」として活躍といった経歴の人物。
財務省のお抱え教授とは違うらしい。
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とにかく事実関係を調べたり聞いて回る必要がある。
日銀が買い入れた国債はどう扱われるのか、気になっていた点なのだ。
おまけに著者によれば800兆円というのは(消費税もそうだが)、借金をばかでかく見せかけて自分たちの地位向上を図ろうとする財務省の策略であるとしている。
それも自分たちの食い扶持しか考えない官僚どもならやりかねない話ではある。
財務省の官僚どもは政治家だけでなく、平気で経済学者も抱え込んで世の中を欺く。

それはともかく、この記事は愕然とする内容だ。
今回のリフレ政策で日銀は360兆円に達する国債を買い取ったが、それらはもはや政府が金利を支払う必要がないのだという。 同様に既に2.5兆ドルの米国債をFBRが回収した米国政府もその分の金利を払っていないという。
償還費用はかかるか、というと全て1年短期の国債に乗り換えていくだけで済むという。
日銀や政府に利払いが生じないという部分が意味が分からない

さらに800兆円には内訳があって建設国債は自動車税とガソリン税で支払うことになっているもので政府が償還したり利払いしたりするものではないという。記事では800兆円の約半分としているが、グラフを読む限り260兆円程度だ。

807-360-260=180兆円
単純な計算で、今後、政府が利払いが必要な正味の負債は180兆円だけだというのだ。

裏を取る必要がある。
ちなみに、平成26年度と平成27年度の支出では、国債償還費が1650億円増えて、利払いが153億円増えている。
上の理屈が正しいと、日銀が平成26年度に買い入れた国債の分だけ27年度の支払利子は減るはずだが、財務省の予算説明書にはそのようなことは書いていない。
財務省資料
平成26年度予算
http://www.mof.go.jp/budget/budger_workflow/budget/fy2014/seifuan26/01.pdf
平成27年度予算
http://www.mof.go.jp/budget/budger_workflow/budget/fy2015/seifuan27/01.pdf

日銀によると4月~9月は月7兆円程度、10月~3月は月8~12兆円程度国債を買い入れと予告しているから、26年度だけで概算100兆円の国債を買い入れているはずだ。
日本銀行資料
金融政策手段 > 国債買入れ
https://www.boj.or.jp/mopo/measures/mkt_ope/ope_f/index.htm/

財務省の出している数字を疑うべきなのだろうか?
平成26年度と27年度で100兆円分の利払いが減ればはっきりわかる数字で出るはずで、平成27年度の利払いが153億円増えるという結果になるはずがない。
払う必要もない数字を払うべき数字と見せかけているのか?


これは国会で政治家に質問させて明らかにすべき重要事項だろう。
日本国のこれからの戦略の前提条件が政府が利払い必要な借金が800兆円なのか180兆円なのか?

その違いは非常に大きい。
有利子負債が800兆円というのが事実なら、まずは赤字国債発行をゼロに持って行くまで福利厚生費用を落としていく以外道がないし、年金改革を同時にやったら国民に総スカンを食いかねない。
建設国債以外の新たな事業は不可能になってくる。

180兆円というのであれば、実はそんなにせっぱつまっていないので、医療制度改革だけでなく年金制度改革も同時にやる精神的余裕ももてる。
国主体の研究開発投資を継続できるし、防衛予算を見直して体制を整えられる。

対外的には800兆円ということにしておいて、日本はもうだめだと思わせておくのは「手」かもしれないが。

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