EU 絵にかいた餅の終わり(2)

英国のEU離脱は2~4年後だが、それより先に本格的な危機が来るかもしれない。

八方ふさがりのイタリア
飯田香織2016年07月11日 06:56
http://blogos.com/article/182921/
The Economistの最新号の特集が「イタリアの責任(Italians Job) EUの次の危機」。
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記事によると、
イタリアの銀行は、景気低迷とデフレに直面し、3600億ユーロ(約40兆円)の不良債権を抱えている。これはイタリアのGDPの20%に相当する
その金額に対して銀行が引当金を積んでいるのはあわせてもわずか45%に過ぎない。

資本がイタリアから逃避し、既存の救済基金が底をつく中、政府による公的資本の注入が必要となる。
しかし、1月に導入されたユーロ圏の新たな規制によると、銀行の債券保有者がまず損失を負担しない限り、政府による資本注入はできない
(債権者に損失を負わせるという原則は、納税者にツケをまわすよりは望ましいものかもしれない)
しかし、債券保有者が損失を負担するということがイタリアでは政治的にできない。
多くの国では銀行債を保有しているのは、リスクを理解し損失を負担するだけの体力のある機関投資家だ。しかし、ことイタリアでは、税法上のねじれがもとで2000億ユーロ(約22兆円)あまりが個人投資家によって保有されている

なぜ、EUでは次々とドイツの主張通りのルールが成立するのか不思議でしょうがないが、このままではイタリアもEU離脱と言わざるを得なくなる。
ドイツはドイツ銀行の巨額債務の問題があるのであえてこんなルールを作っったのは、債権バブルの責任を納税者でなく債券保有者(EU各国の銀行)に取らせるつもりだからなのだろうか?

経済事情の違う国に同じルールを強制することに、何の意味があるのか全く不明だが、フランスもイタリアも銀行の不良債権をあわよくばドイツに押し付けて解消したいという下心で「ヨーロッパ統合」に参加したのだろう。
しかし「通貨統合」でなくTPPのような「経済同盟」程度にすべきだった。
米国のドルに対抗する主軸通貨という実現不可能な「夢」を求めすぎた。
「国」の統合など失敗が目に見えている馬鹿げた実験だ
マルクとフランやリラのレートの違いが残っていればここまでへこまされることはなかった。

イタリアが個人の債券保有者に損失を押し付けることが政治的にできないならば、それらの不良債権を銀行に無理やりにでも買わせるしかない。ゴミを買わせておいて巨大な損失が出たところを公的資金を投入して生産する。
しかし、イタリアの銀行は投資家から完全に見はなされ、EUの金融破たんに発展するかもしれない。

一方、イタリアが銀行に公的資金を注入するには、EUの特例を作ってドイツ国民のEU政府・ドイツ政府が反発を甘んじて買うか、EUから離脱して英国のように独立した国として振る舞うかだ。
EUから離脱してしまえば、公的資金の注入ができるし、通貨を切り下げて産業の競争力を高めることもできる。


NHKや朝日新聞はEUを理想国家の形成過程であるかのように扱うが、とんでもない
同じ民主主義でも北と南では民族的・文化的土壌がまるで違う。英国という島と大陸でも異なるように。(エマニュエル・トッド「世界の多様性」参照)
だからおかれている経済状況もまるで異なる。そんなものを一緒にまとめるルールを誰がどっちを向いて作るのか、というところから問題なのだ。

いずれにしてもEUが今後も存続し続け、米国に対する対立基軸となる通貨EUを保ち続けると考えるのは甘すぎると思う。

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この記事へのコメント

ななし
2016年10月11日 03:58
ですよねー

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