台湾侵攻シナリオの再考(5)

-二つのシナリオの評価と今後取るべき方策について-
筆者は軍事の専門家でも兵器のオタクでもないので、シナリオは誰もがネットで知りうる情報でしか書けない。
今回作った二つのシナリオは通常兵器で通常に攻撃する範囲の従来的な戦闘に終始した場合のシナリオである。
・互いの軍事衛星を破壊したり、電磁波/マイクロ波兵器や生物兵器を使用したりはしない、との想定をしている
・中国人民解放軍(以下PLAと略す)がこれだけの量・質のミサイルと海軍艦船を保有していて
 それでも米軍が勝てるのかどうかが一つの焦点だった
・Newsweekの記事で無視されている台湾のダメージを考慮し、短期決戦で「勝ち」にもちこむシナリオこそ
 台湾防衛のために必要だと考えた

二つのシナリオでは台湾のダメージを最小限に抑えるために早く戦闘が終結したいがために、現実を多少甘く想定しているかもしれない。

二つのシナリオで見積もりが甘い部分があるとすると、以下のようになるだろう。

1)PLAのS-400+S-300以外の対空防衛システムの能力の過小評価
 ・空軍基地、空港、軍港に対するステルス巡航ミサイル攻撃に対して対抗できるレーダーを
  PLAは持っているだろうか?現在の想定はNOだ。YESならロシアからS-400を多く購入しない。
  一般にレーダー技術、ステルス技術共に日米の方が先んじていると考えられているが、
  本当のところはふたを開けてみないと分からない。
 ・またPLAの艦船のイージス性能も未知数だ。CECのようなシステムをくみ上げていると、
  艦船同士でレーダー画面を共有し、目標を割り当てるので重複することなく迎撃ができる。
  高い性能のCECがあってかつ米軍のステルスミサイルを検出する高い性能のレーダーがあれば、
  米軍はPLAの空軍、空港、軍港の空爆に失敗し、勝利できない。
  この状況は今後1,2年で変わらないと断言できないので、確実に「勝てる」と言い切れない。
 ・一つ気になる事実がある。中国がウクライナから対空防衛ミサイルシステムS-300
  に関わる技術者を呼び寄せてS-300を内製化している点である。
  S-300自体がかなりステルス性能のある飛行体を撃墜する能力がある。

2)米空軍、海軍の攻撃力の過大評価
 ・対地対艦ミサイルJASSM-ER、対地対艦ミサイルLRASMのステルス性能がPLAの艦船や
  移動式発射台のレーダーに勝るかどうか、その一点にかかっているといえるだろう。

3)日米の対弾道ミサイル、対弾道ミサイルの迎撃率の過大評価
 ・SM-2のこれまでの4回の試験では弾道弾ミサイルを3回迎撃でき、1回失敗している。
  甘く見れば8割だが、性能をどうこう言うには統計数が少なすぎる。
  本当に100発飛んで来たらどうなるかはやってみないと分からない。
 ・同様にPAC-2、PAC-3の迎撃性能も定かではない
 ・米海軍のイージス艦はCECシステムでレーダーを共有しているので重複迎撃を避けられるが、
  海自のイージス艦は「まや」以外はこのシステムが乗っていないし、空自のレーダーとも
  地上のPAC-2、PAC-3ともレーダーを共有できない。
  実際に百発ミサイルが次々と飛んで来たら海と空で同じ目標を迎撃しようとしたり、
  地上のPAC-2、PAC-3で同じ目標を重複して迎撃する間に別なミサイルに着弾されるケースが
  かなり出る心配がある。
 ・イージス艦同士だけでなく、陸・開・空で連携するレーダーシステムを今後早期に構築しないと
  本島の飽和攻撃には耐えられないだろう

4)PLAの弾道弾ミサイルによる飽和攻撃の量の過小評価
 ・今回のシナリオでは「台湾進攻」は東部戦区の担当であり、他の戦区は日ごとのように見ていて
  協力しない設定だったが、実際はどうか分からない。
 ・ただロケット軍に関してだけでも北部戦区、南部戦区が協力して同時に飽和攻撃を行うと
  弾道弾ミサイルの量は少なくとも3倍になる。
  それをシナリオと同じ目標に向けて発射したときも、それを日本全土の基地に分散させて発射した時も
  日米の基地は壊滅的なダメージを受けるだろう。
 ・先制攻撃で2つの空母に対して400発の飽和攻撃を行われたら、在日空軍とグアム空軍だけでは
  PLAの空軍基地、空港、軍港を全て破壊することはできなくなり、米軍の短時間での勝利はなくなる。

今後の日本の防衛に関する根本的な考察
 ・「日本全国の全ての基地あるいは主要都市が夫々百発以上の弾道弾ミサイルの飽和攻撃を受ける可能性がある」として、
  根本的に防衛体制を見直す必要がある
 ・根本的な防衛の一つのやり方はロシアのS-500のような弾道ミサイルの大気圏外での撃墜であるが、
  それでもそんな高度なミサイルを3000発も用意するとなると現実的ではない。
  ではばかげたPLAのミサイルの量にどう対峙するべきか?
 ・もう一つの考え方はPLAの弾道ミサイルを誘導している軍事衛星・北斗2号を無力化することだ。
  こちらの方がS-500ミサイルやSM-2ミサイルを3000発用意するよりはるかに現実的ではないだろうか?
  PLAのミサイルの量は通常の『専守防衛』で守れるようなレベルではない。
  このような敵基地攻撃的能力を持たなければ守れないような恐ろしい量のミサイルを
  こちらに向けている隣人がいることを、早く多くの日本人に理解してもらいたいものだ

 ※提案
 ・軍事衛星を無力化する手段は衛星を物理的に破壊するだけではない。
  ウィルスでPLAのシステムに入り込んで誘導先の日本各地の位置情報の経度を西に30度ほどずらしてやるだけでよい。
  日本に向けてミサイルが発射された途端プログラムが作動して位置情報をずらすことができれば、
  ミサイルがみんな中国に着弾するように誘導してくれるだろう。
  そういうことができるハッカーを国・自衛隊が養成して研究することが急務ではないだろうか?
 ・無力化の手段は電磁波、マイクロ波などもっと別な方法が複数あるだろう。
  誰が衛星を無力化したのか分からないような手段が、報復を受けないためには最も優れている。
 ・迎撃できるかできないか分からないミサイルを数百発買っても結局日本も台湾も守れない
 ・同様にミサイル駆逐艦、フリーゲート艦、高速攻撃艇、攻撃型潜水艦といった物量にものを言わす戦力を無力化する手段も
  巡航ミサイルの誘導システムに焦点を当てれば違う無力化方策があるのではないか?
  例えば飛んでくるミサイルに直接こちらのミサイルをぶち当てるのではなく、
  電磁波放射でミサイルで作動する誘導システム(シーカーやイルミネーター)を無力化するようなことが考えられる。
 ・もっと言えば、飛んできたミサイルに発射地点に戻るよう指令を出せれば最高の結果になる。
  レーザー兵器は破壊目的なので強力な電力の供給を必要とする割りに天候によっては威力が半減することもあるが、
  天候に左右されない短波長の電磁波ならより少ない電力で何十発のミサイルでも無力化できるかもしれない。
  そういう非対称戦対応の技術研究にこそ日本は注力すべきではないか?
  そういう技術を完備するようになれば、中国は日本や台湾にも手出しできなくなるだろう。

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント