世界経済のリセッションは避けられない

 ジョン・ホプキンス大学の新型コロナウィルス感染者数リアルタイム集計サイト(Coronavirus COVID-19 Global Cases by Johns Hopkins CSSEを見ていると、今回の新型コロナウィルスの感染力に目をみはらされる。
  3月6日夜時点では日本国内360人(クルーズ船除く)に対し、イツ545人フランス423人と、1日でドイツ・フランスが日本を抜いてしまった。猛スピードで感染が広がったタリア(3856人)との人の出入りによるものと考えられる。 米国も233人と急速に増え始めた。日本、韓国、中国、EU、米国とどこまで渡航制限をかければいいか分からなくなってきている。
 3月8日朝時点では日本国内461人、ドイツ799人、フランス948人、米国424人、イタリア5823人とEUも米国も加速度的に増えてきている。
 日本は保険適用によって民間検査機関ががんがんPCR検査するようになれば感染者数の実態が今の10倍ぐらいでもおかしくない。日本の方が中国人観光客から始まったためスタートが1月末と早いので、潜在的にはEU諸国より感染者が多いはずだ。ただし、新型コロナウィルスは低温、高湿度で感染力を高く維持するため(前回ブログ参照記事のドイツの研究グループ発表による)、日本国内でも北海道で感染の拡大が速いことを考慮すると、北海道に近い気温のドイツ・フランスの方が急速に感染拡大することもあり得る。

 ヨーロッパ諸国の感染の広がりは中国との出入りではなく、イタリアを中心とした域内の人の出入りによるものと考えられる。外目にはなぜ各国が国境封鎖しないのか不思議だ。EUの理念に反するのか、それともそれなしにはそれぞれの国の生活物資さえ支障をきたすのか分からないが、各国とも国境封鎖には否定的だ。
 イタリア北部の経済停滞だけでイタリアの経済の3分の1が停滞することになりそれがEUに打撃を与える、という経済評論を数日前に見たが、それどころではなくなってきた。ドイツが今後2000人、3000人のオーダーになるのも時間の問題だからだ。ドイツ経済が停滞すればEU全体が停滞する。イタリアだけでなく、ドイツやフランスもいずれイベント中止、集会禁止、学校休校などをせざるを得なくなるだろう。

 前々回のブログ記事では米国は早々と中国との出入りを全面的に止めて、中国や日本を高みの見物ができるように書いていたが、米国でも経路不明の感染者があっという間に増え始めた。日本、韓国やEUとの出入りを止めるのが遅かったためだろう。NY市場は乱高下しているが、もう少し冷静に見れば、今年第1、第2四半期は絶望的なことが分かるだろう。

 PCR検査(新型コロナウィルス感染をチェックする検査)は日本では1件1万6千円だが、健康保険と国の補助で被験者は今後はタダでできるようになる。イツでは3万円らしい。しかし驚くべきことに米国では個人でやると一人36万円するという。国民皆保険がなく、中国以上に医療費が高いため(おそらく保険会社が儲けるため)国民の半数は病院に行けないのだ。通常のインフルエンザでの死者数はこの冬も1万人を超える見込みといわれている(毎年1万人死亡しているという説もある)。きちんと診察を受ける人が少ないので誰にも正確な数が分からないのだ。既存のインフルエンザに対してはワクチンも治療薬もあるというのにこれだ。
 そんな状態なのでCDC(米国疾病予防センター)はインフルエンザに紛れて新型コロナウィルスが蔓延している可能性があると発表していたが、ではインフルエンザの可能性のある人を片っ端から検査するかというとそんなことはできないだろう。
 米国の感染者数は当面(おそらく最後まで)まともな数字は出てこないかもしれない。そういう意味では信頼性は中国と変わらないかもしれない。それでもインフルエンザと新型コロナウィルスでは人々の恐怖度合いが全く異なる米国には風邪やインフルエンザでは簡単に学校や会社を休める風潮がある(医療費が高いため診断書は不要)のでそこは問題なさそうだが、通常1週間休めばよいことになっていた人が会社や学校に出てこれず入院したとなるとその会社や学校ではコロナ感染者を出したということになり、その職場や学校は直ちに1週間は消毒と活動停止に追い込まれるだろう。(ものに付着した新型コロナウィルスの感染力維持期間は平均4~5日*)そこはインフルエンザ(約24時間で死滅)とは異なる。恐怖が経済界に広がるのは時間の問題だ。

 非常事態宣言はカルフォルニア州だけでなくあちこちに広がり、日本と同様イベントの中止、集会の禁止、学校の休校に追い込まれるだろう。安倍首相以上に危機意識のないトランプも、選挙でたたかれないために安倍と同様以上の号令を出さないとならなくなるだろう。
 サプライチェーンや輸出入の問題だけではない。仮に東京やニューヨークの証券取引所の職員に感染者が出たら、取引所は最低1週間は消毒のために閉鎖されるだろう。そうなったらパンデミック以前に世界経済はパニック=大恐慌になるだろう。仮に証券取引所が閉鎖されなくても同じことだ。中国、日本、EUで米国サプライチェーンの寸断で製造業は動かなくなり、イベント・集会禁止で各国の国内消費が落ち、当然貿易量も落ちる。金融だけが好調を維持できるはずがない。


 今のところ医療崩壊を起こしたのは中国の武漢市/湖北省、韓国・大邱市周辺とイタリア北部、イランの一部だけだ。死者が大量に出ているのは地域の医療が崩壊していることを示している。今後日本やドイツ、フランス、米国でも十分起こりうる。医療崩壊は地域的な連鎖を起こしやすいので本当に怖い。武漢市(1100万人)がパンク(医師、病床が不足)したらその直後には河北省全体に連鎖したようにだ。日本でいうと相模原市がパンク→神奈川県がパンク→東京都がパンクというような連鎖だ。

 こうなってくると、逆に中国が(武漢市/湖北省を除いて) 検疫上では 最善の対応をしていることになる巨大都市とその外を物理的に遮断し、人々に外出禁止令を出し、逆らったものを片っ端から逮捕するなんてことは「人権」のある民主主義国家には到底できない。
 残念な話だが、今回の新型コロナウィルスの勝ち組は中国、ロシアなどの独裁主義国家と東南アジアとなるかもしれない。米国は中国に対し貿易戦争には勝ててもウィルス戦争では負けるわけだ。
 今後中国がどのタイミングで都市封鎖、外出禁止を解除するか、その結果ウィルス感染がどう推移するかに焦点が集まる。

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