長いトンネルの出口が見えてきた国も 世界の実感染者動向

 日本はようやく地獄の入り口に立ったが、いくつかの国はピークアウトし始めている。
この長く苦しいウィルスとの戦いでようやく出口が見えてきた国が出てきたというのはうれしいニュース
この記事で用いた元データは全てWorldometerのCOVID-19 Coronavirus Pandemicの日々のデータ(リアルタイム集計が終わった次の日にyesterdayの集計を見る)である。

1.日本と周辺国
 東アジアの地域だけ、感染者数が増えず死亡率が低いのはBCGワクチンのせいではないかという研究者もいたが、どっこい日本はだめだった。東京は医療崩壊のステージに突き進んでしまった。感染拡大の程度や死亡率には複数の要素が絡むので簡単な話ではない。
中国、韓国、日本、台湾、香港、シンガポール、オーストラリア。中国を除くこれらの国々は世界の中にあっては何故か最も優秀だった。(中国もウィルスの抑え込みには成功したが)
次図は累計の実感染者数の推移。
*実感染者数とは感染者数から退院数、死亡数を引いたもので、隔離や入院が必要な正味の対策必要感染者の数を表す。
ここでは日本の数字は日本国内にダイヤモンドプリンセス号を加えたもので示す。
日本と周辺国 実感染者数 常用対数.png
 中国、韓国がはっきり減少傾向にあるのに、常用対数で見ても、日本とシンガポールは増加傾向がとまっていない。オーストラリアは減少が始まっている。これをピークアウトという
 次図は同じ7か国(と地域)の5日間移動平均の増加率の推移。増加率は日別で見ると上下動が激しいので数日間でならしてみた方が傾向をつかみやすい。(前回ブログ参照)
日本と周辺国 平均増加率.png
 減少傾向が続く中国と韓国は増加率はマイナス領域で、それに非常に近いのが台湾と香港だ。勾配の傾向を見れば台湾と香港はこのままマイナスに転じると予想される。
 オーストラリアは実感染者数4935人まで増加したが、4月5日以降減少に転じて、4月9日時点では3114人まで減少している。これは新規の感染者発生数より回復(退院)数と死亡数が上回っていることで、死亡率がいまだに0.8%と低いオーストラリアは新型コロナウィルス対策に最も成功した国の一つと称賛されるべきだろう。
 逆に日本とシンガポールはまだ増加率が10%程度あり、まだまだ先の道のりは長い
注)日本の感染者数が多少減少傾向に見えるが、ダイヤモンドプリンセス号を除いて分析すると逆に増加傾向がはっきり見えてくる。

2.ほかのアジア諸国
 次図は他のアジア諸国の実感染者数の推移。
アジア諸国 実感染者数 常用対数.png
 2月20日ごろから長く非常に苦しい戦いが続いたイランがようやく減少に転じたのは(TVではまるで紹介されていないが)うれしいニュースだ。WHOなど大した医師団を持っていないので実質中国の医療スタッフが大量に投入されたと思われる。それをイランは恩に着ると感じるだろうか?それともそもそもお前のせいだと距離を置くようになるだろうか?
 他の国ではマレーシアとタイがピークアウトに差し掛かっている。
 逆にトルコは遅れて感染が拡大したが、ものすごい勢いで増えており抑制が効いていない。インドと共に非常に心配だ。
 次図はそれを5日間の移動平均増加率で見たもの。
アジア諸国 平均増加率.png
 先の常用対数の図でも見たがイランに続き、マレーシアとタイもピークアウトし始めている。この後順調に増加率のマイナスが続いてほしい。意外といっては失礼だがフィリピンも善戦していて、増加率を5%まで落としてきており、あと一息で出口が見える。
増加率で見る限り日本はフィリピン以下といえる
 トルコとインドはまだまだ先が長い。インドなどは手を洗うきれいな水さえなく、トイレも集落に一つという貧しい集落も多いという衛生状態なので、そういう貧困層に感染が及んだら手の打ちようがないだろう。トルコについては衛生事情がそこまで悪いと思えないので、感染を抑制できない理由が分からない。宗教的な集会を規制していないとかなのだろうか? 早く手を打つべきである。
 集計がないが、シリアの難民キャンプなどは考えるのも恐ろしい状況だろう。食料や水を運ぶボランティアがウィルスを持ち込んだら大きな感染爆発を起こす悲劇が起こるかもしれない。

3.欧州各国
 次に欧州各国の実感染者数の推移を示す。

 欧州各国 実感染者数 常用対数.png
 対数で見ても何が何だか分からない。しかし傾きの違いだけに気を付けると、英国とロシアの勾配がやや急であることが分かる。
よく見てみるとスイスとドイツの勾配が直近ではほぼ水平になっているのもわかる。
 次図の移動平均増加率でその辺を詳しく見ることができる。
欧州各国 平均増加率.png
 スイスに続き、ドイツもピークアウトしている。Congratulations!! ドイツ、スイスの死亡率は4月9日の時点で2.2%、3.9%。さすが医療先進国だといいたいところだが、ピークアウトするのは医療が格段に優れていて次々に退院させられるだけではない。感染者を増やさない組織/体制と強い統一的な意思があってのものだ。そこが日本と彼の国の違いになるだろう。なお死亡率は今後さらに上がっていくとみている。その件は別な記事に書く予定だ。
 イタリア、スペインは死者1万5千人、1万8千人という非常に大きな犠牲を払ってきたが、ようやく出口が見えてきたあと数日でピークアウトできそうだ。イタリアで死亡した医師は100人というニュースも見た。筆者が生きている間にこのような地獄を見ることになるとは思わなかった。悲しいことだ。
 この2国に続いて出口に近づいているのはフランス、オランダ、次いでデンマーク、スウェーデンというところだろうか。英国はなぜか遅れたが、勾配がきれいに直線的で紛れがないのがいい。20%から10%に落ちるのに10日かかっているところから判断すると、英国もあと1週間でピークアウトするのではないかと予想できる。他の国は逆にまだ予想できる状況ではない。
 ロシアはヨーロッパの中では感染拡大が10日ほど遅れていたこともあって、まだ先は長い。
注)フランスの数字が4月3日にジャンプしているのは介護施設などで2千人超の集計漏れが後から発覚した事件によるものと考えられる。

4.北米、中南米の諸国
 次図は北米・中南米の各国の実感染者数の推移。
北米中南米各国 実感染者数 常用対数.png
 感染者数ではなんといっても米国がとびぬけている。次いでカナダとブラジルが多い。中南米諸国は米国ないし欧州からの感染なので遅れて広がっているが、南の国だからといって感染拡大が穏やかなわけではない。
 次図は各国の移動平均増加率の推移。
北米中南米 平均増加率.png
 日本と違って各国ともきれいに増加率は減少してきている。メキシコ以外はいい方向だ。特にチリ、アルゼンチンは5%まできているので、出口まであと少し。10%から5%になるのに直線的に1週間だったので、あと1週間でピークアウトできそうだ。カナダも1週間と少しだろう。米国も15%から10%に1週間で落ちてきているのでのこり2週間はかからずピークアウトできるかもしれない。
 ブラジルは残念ながらここ10日間ほど上がったり下がったりで、まだ先が見えない。メキシコは逆に増加率が増えてしまっているのでまずい状況だ。

5.米国国内
 米国については週ごとのデータがあるのでもう少し詳しく見ることができる。
米国内 実感染者数 常用対数.png
 米国内ではなんといってもニューヨーク州の比率が高い。全国の3分の1近い感染者数と半数近い死者を出している。次いでニュージャージー州、ミシガン州、カルフォルニア州、ルイジアナ州(州の略記としてはLA)、マサチューセッツ州と続く。フロリダ州、ワシントン州もいれているが、この集計を始めた時点ではワシントン州やフロリダ州が多かったのだが、今やペンシルバニア州などに抜かれているのでここに挙げたのが上位の州全てではなくなっている)ワシントン州以外は勾配はどれも似たようなものに見える。
 次図は各州の移動平均増加率の推移。
米国内 平均増加率.png
 この中ではニュージャージー州がもっとも増加率が小さく出口が見えてきている。ニューヨーク州はまだ5%に達していないので、ピークアウトまで10日ぐらいかかりそうだが、出口はもう少しと見ることができるだろう

さて世界で一番最後の方に感染爆発が始まった日本はどうなるのだろうか?

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント