心の問題 社会問題としての非婚問題

このところ脳神経学者の本をいくつか読んでいる。
基本的には生物が「認識」をどう処理しているのか知ることを人工知能に生かしたいというハラなのだが、なかなか奥が深くて、いろいろな側面をいろいろな科学者が取り上げて異なる主張をしている状態だ。

まして「こころ」がどこにあるかということを万人の意見を一致させることは今のところ不可能にさえ思える。
定義する人によって違うかもしれない。共通の定義を持てないのかもしれない。

科学の問題としてほとんど解明されていない分野であるが、社会の問題としてもこころ」の問題は大きな問題だ。

久しぶりに岡山の田舎に帰ってあれこれ話すうちに、「こころ」の問題を解決せずに経済的な対策だけで人口減少を解決することはできそうにもないことを思い出さずにはいられなかった。

心の病気になる人が増えた。以前に増してそう思う。
ブラックな企業が増えたせいであるのは間違いない。
しかし、それだけではない。
人と人との結びつきが弱くなり、コミュニケーションに努力しなくなった、という風潮がその原因であるのかもしれない。
電車の中や公共の場所でルールを破る子供や若者を誰も注意しない。
いつから、なぜそうなったのか分からないが、それが始まりのようにも感じる。

大切な人との死別や別れから急におかしくなってしまう人があちこちにいる。
すごく明るい元気者で仕事も非常に早くみんなをリードしていた人が、介護していたおばあさんがなくなったとたん、急に元気がなくなり仕事も手につかなくなり、入院までしたこともあったが、2年ほどで立ち直った。
この人は世話になった人で、元気になってくれて本当によかった。

酒は飲まないのに甘いジュース類を飲みつけたせいで糖尿になり、嫁さんに食事管理してもらってようやく立ち直ったのに、父親が急死してから元々怪しかった夫婦仲が悪くなり、子供もいるのに別居状態になり、仕事もせず自分の栄養管理もできなくなって引きこもり始めた。40代の中学生の子育て世代だ。
世話になった人の息子なだけに残された母親の愚痴を聞くだけでなく、今度説教してやらないといけない。
人の話を聞かない頑固者と言われているらしいが。

僕より4つほど年上だが、年に数回酔っぱらって話したくなって長電話をかけてくる友人も、友人が亡くなったのと僕らが町を出のが重なった後、数年うつにになってしまったことがあった。

人の心は壊れやすいものだというのは人間関係の希薄な都会だけの話ではない。
人とのかかわりの多い山の中の田舎でも同じなのだ。

都会では今までなかったような犯罪が横行している。
誰でもいいから人を殺して死刑になりたかったという馬鹿げた無差別殺人。
それがニュースで出るやべつなところで模倣犯がでる。
子供でもひ弱な中学生を18,9の若者が集団暴行して殺すような事件もあった。
介護疲れでおじいさんがおばあさんを殺したというような同情の余地はまるでない、背筋が冷たくなるような事件は以前にはなかったと思う。

社会全体がおかしくなってきたのと、結婚しない人が増えたのは同期しているようにも思える。
結婚について周囲が干渉しなくなった。
それはプライバシーだといって、職場でそういう話題を出すこと自体セクハラだといわれる。

結婚しないというのは女性が経済的に自立して男性の経済力に頼る必要が亡くなったという面も少しはあるが、皆が裕福になったのはバブル崩壊までだろう。それ以降「失われた20年」に労働に関する規制が自由化され、正社員が次々と減り、労働力の4割が非正規社員になってむしろ生活に苦しい人が増えた、そのために結婚したくても経済的にできない男性が増えたのだのも確かなことだ。
それと、『結婚しなくてもいい』という考え方が拡がってきたのが同期しているのだと思う。

ブラック企業をなくし、人口再生産係数で企業から「人口税」を取るようにして所得を再配分するようなドラスチックな政策をして、若い人が子育てする給与も時間もとれるようにしたとしても、『結婚しなくてもいい』『子育てなんて面倒くさい』という考え方、感じ方を改めなければ人口増加にはもっていけないかもしれない。


社会風潮そのものを変えなければいけないのではないだろうか?
フランスが人口増加に転換したのは、結婚しなくても子育てが支援されるような新しい仕組みによるともいう。
日本でも社会の考え方を変えるところまで踏み込む必要があるのかもしれない。

もっと若い人の意見を踏み込んで聞いてみないと打つべき政策を確定できないかもしれない。
僕のような保守的な世代には受け入れられないような新しい枠組みになるのかもしれないが。

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