トランプ新大統領に期待していたこと

新大統領が就任するという1月20日の時点で、すでにこの大統領が長くもたないと分かっていることは、寂しいことに感じる。

記者会見をろくに開かずTwitterで好き放題な発言をするのみならず、初めて開いた会見では記者の質問を受け付けず「無礼」と退けた態度は、民主党系だけでなく共和党系米国メディアさえ怒らせた。品性のなさではフィリピンのドテルテよりさらに悪い可能性もある。まともな大学を出たもののすることではないが、ひょっとすると以前でていたTV番組のキャラクターが一番国民に受けると信じているのかもしれない。

マスコミに対するあり得ない態度は選挙戦から徹底して攻撃されたことへの対抗なのだろう。記者会見を行わずTwitterで好きなことを発言を繰り返しているのは、(彼の立場からは)信用ならないマスメディアを相手にせずにやりたいという趣旨かもしれない。
しかし、これは国民が受け入れていないようだ。WSJとNBCの行った世論調査では国民の55%がトランプのツイート使用に強く反対している。(WSJ 1月19日記事「米国民の大多数「トランプ氏はツイッターやめよ」=世論調査」)

ただ注意を要するのは、米国民のうちマスメディアを信用しているのは20%程度という調査結果があり、日本の80%程度とはえらい違いがある。マスメディアは米国民から必ずしも信用されていない。だからニューヨークタイムズ、ワシントンポスト、ウォールストリートジャーナルなどの民主党系メディアがこぞってヒラリー有利と報道し続ける中、ロシアが流したデマの方を信じてヒラリーは民主党支持者から票を集められず、世論調査に協力しなかった白人労働者階級がトランプを当選させた。

私が米国メディアを根本的に信用していないのは、米国メディアこそが米国が真珠湾攻撃を仕掛けさせた事実を隠ぺいして人を卑怯者扱いし続け、原爆投下を正当化させ続けてきた張本人だからだ。 そういう情報統制をありがたがる日本の連中は気の毒に思う。
日本の主張メディアNHK、朝日新聞、毎日新聞はそれをそのまま国民に教え続け、さらにGHQが宣伝した中国・韓国を悪く言うなの指令を守り続けている。歴史的検証するどころか積極的にでっち上げまでし続けてきた。自虐的歴史観を国民に植え付けてきた連中だ。しかしいかんせん、日本人は権威を疑うことを知らず、戦前あれだけ国とメディアに騙されて痛い思いをしたのに、戦後もまた疑いもせず騙され続けている。
 これは自分で考えることを教えず、人の言ったことを丸覚えすること以外教えない教育にも大いに問題がある。



さて、本題に戻る。
以前の文章でトランプが大統領になっても米国のこれまでの安全保障政策を否定するような発言(例えば尖閣諸島や沖縄は日米防衛協定の範囲外等発言)をしたりそれを実行しようとしたりすれば、共和党主流派からケネディのように刺されるだろうと書いた。

しかし、ロシアがトランプの決定的な弱みを握っているというスキャンダル情報(当初は民主党が、のちに共和党主流派が調査)をネットメディアとCNNまで流してしまったため、もはやいつでも大統領弾劾ができるスタンバイ状態となってしまったようだ。

トランプ氏のモスクワでの変態行為はロシアのワナか
田岡俊次 [軍事ジャーナリスト]
ダイヤモンドオンライン 2017年1月19日
http://diamond.jp/articles/-/114564

トランプ氏が激怒した報道は“時限爆弾”か

弾劾の可能性を指摘する声も
PAGE 2017.1.16 17:40
https://thepage.jp/detail/20170116-00000009-wordleaf


だから「寂しい」のだ。
私はトランプのような下品な人格には何の興味もない。
しかし二つの点で期待していた。


1)経済パラダイムの変更
しかし、これだけグローバリズムが先進国で格差を拡大し、途上国を泥沼に突き落とした後、さらに現代の金融資本主義が進展していくのは間違っていると考えるし、次のパラダイムを施行しなければならない。
自由貿易第一主義から離れてみるべきであるし、資本家たちの金儲けのためのお遊び(バブルの形成と崩壊)をこれ以上やらせない仕組みが必要である。

そのためには米国が保護主義貿易を採用することは、(将来そう進展するか予測が難しいが)見てみるべきだと思う。
正確には、「どうなるか見てみたい」のではない。
米国が保護主義を取った時が日本のチャンスなのだ。
何のチャンスかって?
グローバル経済切り離しの千載一遇のチャンスなのだ。
*この話は入口を書くだけで長くなるので後ろに回す(**記号に続く)

2)中国に対する安全保障戦略の刷新
CHINA2049で今まで隠してきた野心を明確にした中国は南シナ海で岩礁を埋め立て軍事基地を造成している。2049CHINAによると中国が虎視眈々と狙っているのは米国に復讐し、「覇権」を取り戻すことらしい。
前政権と議会によって米国の軍事費用は徹底的に抑制されてしまったので、共和党主流派のみならず民主党内でも中国による将来の危機への懸念が非常に高まっている。
南シナ海は米国には直接影響しないが、日本のタンカーなどのルート上でもあるためこれ以上中国に勝手なことをされるのは大変まずい。
この動きに対してオバマは何ら有効な手立てが打てず、米国は同盟国を失望させた。
一方トランプは就任前から中国に対して高い完全をかけることを宣言しているし、台湾総統と電話会談して「一つの中国」という中国の勝手な主張を無視した。
歴代の米国指導者は何の弱みがあったのか、何の裏取引があったのか分からないが中国の言いなりで台湾の帰属を中国に投げてきていた。(一方で台湾に対する武器供与は断続的に続いているが)

さらにトランプ政権に国務副長官起用が取りざたされている強硬派のボルトン元国連大使が沖縄の米軍の一部を台湾に駐留させる提言をした。
産経ニュース2017.1.18 09:53
「在沖縄米軍の台湾移転を」ジョン・ボルトン元米国連大使が提言
これはかなり危うい話で、実際そうしようとしたら、中国にとっての「キューバ危機」に相当する大事件になる可能性がある。
もし仮に台湾の西岸にレールガン数機を配置できれば、中国は台湾に手も足も出なくなるので、中国にとっては「死活的問題」になる。台湾の帰属そのものもだが、これから太平洋に出て行って原潜でいつでも米国に核ミサイルを撃ち込めるぞという体制を作ろうという時に、台湾を抑えられてしまっては日本の西南諸島と台湾の海峡だけでなく、フィリピンと台湾の間のパーシー海峡でさえ「安心」できなくなってしまう。

したがってその実現性は難しいが、中国の出方待ちになっていた米国の戦術が一転してにらみを利かせる香頭歩を置くことになり、そこに向けての中国との駆け引きが今後の米国の重要な戦術にもなる面白いアイディアだ。



**1)の続き
日本では非正規労働者の収入が低すぎて人口再生産ができなくなっている点が国家として最大の問題である。
なぜ非正規労働者がこれほど増えたかと言えば、小泉政権時代の労働条件に関する規制緩和で企業が製品コストを抑えるためいくらでも正規従業員を非正規労働者に切り替えることができるようになったからだ。
なぜ製品コストを下げる必要があったかと言えば、グローバル市場で韓国や中国などの安い製品に競争するためだ。
自動車など東南アジアで部品を作り組み立てた方が安くできるにきまっている。そうやってグローバルな製造業が海外に出ていくだけならともかく、ドメスチックな食品業界の生産現場まで非正規労働者ばかりになってきた。
コスト競争しか考えられない「考える力のない経営者連中」のお蔭で、デフレの負のスパイラルが回り始めてしまった。
輸出はGDPの14%程度しかないはずなのに、輸出部門だけの賃金が下がるのでなく、全体の賃金が下がり始めとまらなくなった。これはおかしい。
仕事がないわけではないので失業率としては現れないが、食うや食わずの非正規労働という仕事ばかり増えてしまった。
マンションだとか冷凍食品だとか牛丼だとかと言った商品の価格は国際競争にさらされていないにもかかわらずだ。

この流れを止めるには問題の根源となっている非正規労働を取りやめるのが一番だろう。
それではグローバル市場での価格競争ができないという会社にはどんどん出て行ってもらってよいのではないか?
価格競争でしか売りようがない普及品などを日本で作って海外で売ろうとするから人件費が下がってしまうのだ。

そこで経営者に考えてもらうべきなのは、中国・韓国あるいは東南アジアが決定的にマネできない商品を海外に売ることである。
人のまねしかできないアタマの悪い経営者や人材しかいない会社には潰れてもらうか出て行ってもらうので十分だ。

小さい孫請けの土建会社を使ったマンションの杭打ちの偽装事件は住居の安全性をないがしろにした。
教育制度も労務管理もできない小さなバス会社がスキーツアーバスを横転させ20人近くの大学生の命を奪った。
冷凍食品会社の工場では待遇に不満を抱いた非正規労働者が職人ラインに農薬を混入した。
こういうことがまかり通っている社会はもはや末期的だ。
しかも、これらの事件は国際的なコスト競争にさらされているわけでもなんでもない業界でおこっている。

非正規従業員だらけで動いているトヨタの国内工場より、中国の向上の方がQCサークル活動が盛んだという。ホンダがタカタのエアバックの不備を見落として米国で大きなリコール騒ぎも起こした。
のこった最後の砦の自動車の製造ラインでさえも、最低限の品質の維持は限界にきていると思われる。
そんな連中に引き面ㇾて人口減少に陥り、経済が縮小し、山住の債権の返済が危機を迎え、社会保障が崩壊寸前というのでは話にならない。

日本が保護主義と言い出すのは語弊があるのなら、『グローバル経済切り離し』をするべきではないかと私は考えている。
といっても自由貿易にかかわる部分だけだ。
労働協定を再度元に戻して、非正規雇用を認めなくする。
コモディティで製造・輸出を続けたい会社は出て行ってもらう。
そもそも1億人しかいない国に自動車会社が10もあるなんて異常なのだ。
どうせトランプが海外生産品に高い関税をかけるんだから、米国で売る車は全部米国で作ればいい。
経営者が考えるべきなのは、正しい商品と正しい雇用である。
そのために人と同じものを大量生産するのでなく、確かな品質のもの(安全、安心)または新しい付加価値のものを作る/サービスすることだ。
全部正規従業員が作るようになれば、国内の多くの商品の値段は吊り上るだろう。
そうすることで賃金の抑制のジレンマから解放されるべきだ。


ロイターにはこんな記事が出た。
コラム:ドル安誘導で「不確実性」高まるトランプ経済政策
Reuter 2017年 01月 19日 19:17 JST
http://jp.reuters.com/article/column-trump-dollar-policy-idJPKBN1530LW?feedType=RSS&feedName=topNews&google_editors_picks=true&sp=true

多分トランプは思っている以上にバカなのだと思うが、全部の指標を思い通りにすることができなくても目的は達せられる。

記事によれば「20日に大統領に就任するトランプ氏は、米国の貿易赤字を縮小すると同時に、法人税減税によって米国経済を押し上げたいと考えており、ここにきて、ドルが高過ぎるとも発言している。」

だがそれは本当か?
市場でトランプの政策で景気が良くなるという予想が強くなると、金利が上昇する。
金利が上昇すればドルは価値が上がり他の通貨に対して高くなる。

ところがドルが高くなると貿易赤字が拡大して、企業は海外に逃げ出すという。
これは間違えで、米国内向けの製品の生産に関しては逃げ出す必要がないだろう。
海外輸出向けの製品は海外で生産すればいいだけだ。
ドルが高くなることを気にする必要はないのではないか?

海外の製造工場を国内に強制的に戻し、法人税減税を行い、財政出動でインフラ投資を行えば、景気が良くなり、結果金利が上昇する。
景気が良くなっても金利を上げなければ、強いインフレ加熱が起きるかもしれない。まだ先の話だが、そこまで上昇すれば金利は抑えざるを得ないだろう。
景気は拡大する
それで財政投資の借金は元本返済ができるかどうかは分からないが、当面は国民は喜ぶだろう。
ただ永続的に景気が上昇し続ける保証はどこにもない。
米国内でパイが拡大するわけではないからだ。
賃金は上昇する
ファーストフードの店員やスーパーのレジ打ちより製造業の工程作業員の方が賃金は高いからだ。
さらに不法移民を追い出すことに成功すれば、建築業でも雇用が拡大し、賃金は上がり、住宅の価格は上昇する。

これは今私自身が考えているアイディアによる効果だ
パイが拡大するのでなく、賃金が上昇することにより景気が拡大するだけだ。
製造業、建築業の賃金上昇はいずれファーストフードやスーパーの賃金も上昇させるだろう。
それが農産物の価格まで引き上げるかどうか分からないが、どうなるか見てみたいものだ。

正確には、「どうなるか見てみたい」のではない。
米国が保護主義を取った時が日本のチャンスなのだ。
何のチャンスかって?
グローバル経済切り離しの千載一遇のチャンスなのだ。

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック