年に一度の梅の実との対話

 94歳で亡くなった母親の四十九日の法要が終わり、気ばかり使うわりに物事がほとんど進んでいない期間もそろそろ終わった。あとは少しずつ実家の片付けだ。

 我が家の庭の梅の実はもともと小梅だったが今年は少し大きめの実になった。年末に上の方の大きな枝をバシバシ落としたのが良かったようだ。それと5月にしっかりした雨が何度も降ったことも大きいらしい。どうやら結実の直前1か月は、(雨が少ない場合)梅の樹に水やりをしっかりしなければいけないらしい。
 今年こそと思いながらここ3、4年ほど梅干しの実を採り損ねていた。今年は気合を入れて、採り始めたら毎日少しずつでも採り続けるという方針に変えたところ、今年は梅の実の収穫がうまくいったようだ。5,6年ほど前にはものすごくいい梅干ができて家族で喜んだのだが、その後スランプだったのだ。同じ塩分量でもあまりおいしくなかったり、黄色く熟すまで取らずに置いておいたら落果してしまって収穫できなかったり、仕方なしに買ったりもらった梅で梅干しや梅酒をつけたりしたが、味がいまいちだった。何故か自分のうちの梅の実でつけないとうまくいかないらしい。

 かみさんは漬物を好かないようで自分で買ってきて食べることはまずないのだが、私が漬けた梅干しは何故か食べたがる。梅干しはアルカリ性食品なので塩分をうまく抑えれば素晴らしい健康食品といえる。
 今年は黄色になりかけのものも集めてざるに載せて室内に置いて追熟させることで梅干し用のものを確保できた。地面に落ちたものは傷がついていて使えない。だからこの1週間ほど居間には熟れた梅の香りが漂い続けていた。途中でかみさんが梅酒も作ってと言い出したので、急遽青梅も採っておき、こちらは漬け込み用のリキュールを入手するまで冷蔵庫の野菜室に入れて追熟しないよう青梅の状態を保つようにした。
 以前色々試したが、ブランデーでつける梅酒が一番うまい。しかし本当にいいブランデーは直接呑んだ方がいいに決まっている。5千円ぐらいのものなら梅酒でもいいかもしれないが、1万円以上のXOクラスになるとそのまま呑んだ方が絶対良い。そこで安くてうまいものとして8年ほど前に行き着いたのがChabot Napoleonだ。これはコニャックでなくアルマニャックというもので現在は作られていないため古いものしかない。保存状態によっては品質が落ちるため1本3千円程度で入手できる。4年前に作ったときは勤めに出ていたので東京駅の地下街の酒屋で2本入手したが、今回はかみさんにメルカリで入手してもらった。送料込みで2800~2900円で2本入手できた。保存状態が悪かったとしても腐ってもアルマニャックである。(アルコール度40%なので腐るはずはないが)梅酒を漬けるには味、コク、香りとも最高だ。

 結果、梅干し用に1.1Kg、梅酒用に700g良いものだけを選って漬け込むことができた。

 梅干しはこれまで古風に土のカメでつけていたのだが、ネットでジップロックでつけられるというのを見つけて、熟した順に400g、400g、300gと別々な塩梅(塩加減)で3種類の漬け方をした。
 1)完熟梅400g、塩40g(10%)、はちみつ40g(10%)、消毒用ハイリカー10g
 2)完熟梅400g、塩30g(7.5%)、はちみつ40g(10%)、消毒用ハイリカー10g
 3)完熟梅300g、塩24g(8.3%)、はちみつ40g(13.3%)、消毒用ハイリカー10g

 梅酒は4年前に着けたレシピと同じにした。今飲んでもちょっと梅の味が強いが、この時のは檀家のお寺さんからもらった大粒の梅だったので、8年ほど前にChabot Napoleonで大成功したものとは味が異なる。自分のところの小梅で漬けたものはもうとっくにないが、ヤバいほど旨かった。
 4年前のものは当時ビンに貼り付けたレシピによると、ハンガリー産のはちみつ300gとアルゼンチン産のはちみつ120gとえらく凝ったことをしていたが、今回は横着をして手元にあったアルゼンチン産+カナダ産のはちみつ200gとスーパーで見つけたきび砂糖250gとしてみた。きび砂糖はちょっと雑味が強くなるかもしれないのだが、ミネラル分が多いのでどんな味になるのか楽しみではある。

 梅干しをつけ終わったと思ったら梅雨入りしてしまったので、3日の天日干しは6月後半までできないだろう。それが終わってから味見するまでさらに半年は置いた方がいい。梅酒に至っては口を開くのは来年の今頃になるだろう。気の長い話だが、待つのも楽しみだ。



 ところで、梅の樹には毎冬のほぼ毎日、小鳥のために枝にかけた小さいざるにヒマワリを入れておいている。
冬になって虫が取れなくなって食べ物に困ったシジュウカラを助けてやっているわけだ。ヒマワリは殻ごと食べれないのだが、シジュウカラ、ヤマガラなどのカラ類は両足でヒマワリを止まっている枝に押さえつけながらくちばしでコンコンとなんどもつついて殻を割って中の柔らかい実を取り出して食べる。
 野鳥は5月の前半が出産の時期で5月の後半になると親鳥が子供たち(5,6羽)を連れてヒマワリを食べにやってくる。いつもの年は5月には富士の別荘で野鳥たちにヒマワリをやるのだが、今年はおばあさんがなくなったため出るに出られなかったこともあり、自宅でやっている。最初のうち、生まれたての子供たちは親に引っ付いてチーチー鳴きながら羽を振るわせてエサを頂戴とせびっているが、次第に親の真似をして自分でヒマワリをコンコンつついて割って食べられるようになる。若鳥は嘴や体の色が薄いのですぐ見分けがつく。かわいい。
 今年はどうしたことかシジュウカラの親子だけでなく、ヤマガラの親子もやってきて食べている。シジュウカラは警戒心が強く居間のレースのカーテンから覗いているのに気づくとすぐ逃げてしまうが、ヤマガラはどの子も人馴れしていて人の方を見ながら平気でコンコンやっている。4月以降になったら青虫などいくらでもいるのだからヒマワリなどやらなくてもいいのだが、可愛い子ども見たさについついヒマワリを買ってきては梅の樹のざるに毎日せっせと追加している次第だ。
 梅の樹も、小鳥たちがいる方が楽しいだろう。

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